社会保険労務士法人村松事務所

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「組織原則が組織運営の問題を解決する」編

20.04.27 | ミニコラム

<組織風土の良さと業績は正比例の原則>
    
組織運営をしていくと、組織風土の良い時・悪い時ということが段々分か
ってくるようになります。そして組織風土の良い時には比較的業績が良い
こと、組織風土の悪い時には業績は比較的悪いことに気が付きます。
どうして組織風土の良さが業績に関係するのでしょうか。

組織風土が良い組織とは、次のような組織です。縁があって集まった社員が
お互いの困っていることを助け合い、学びの多い社員が他の社員に教えている。
組織の中に誰も落ちこぼれを作らないように取り組み、すべての社員が一緒
に成長している。つまり、組織風土が良い組織とは、物心両面ともに豊かに[
なることを皆で実現しようと考えている組織だと言えます。

具体的に話せば、ある仕事ができず、失敗した社員がいたとします。そんなとき、
それに気が付いた周りの社員が、先輩・上司問わずに集まってきて、その社員
に教えるような組織です。

失敗によってその社員ができないことが分かったとき、同じ失敗をさせために、
周りの社員は工夫やアイディアなど、それぞれの社員の持っている知恵を授け
るということになるでしょう。長年苦労してきて得た知恵を、惜しげもなく
その社員に教えることになります。
 
そのことで2度と失敗しないようになった社員は、大いに感謝をするでしょう。
そして自分がこの組織の中で学んだことを、これからまた新しく入ってくる
社員に提供しようと心に決めます。

そのように、常に組織の中にある優れたやり方を横展開、共有化するという
ことができるようになれば、その組織はどうなるでしょうか。優れたやり方を
持っていて高い成果を上げている社員、優れたやり方が分からずに低い成果に
なってしまった社員の間にギャップが生まれたとしても、みるみるそのギャップ
が縮まっていくことが想像できると思います。ギャップが縮まれば、その分だけ
業績が伸びます。

そこにいる社員はどうでしょうか。全社員が笑顔でしょう。教えられた社員は
もちろん、教えた社員も笑顔です。とすればすべての会社で問題になる「高い
業績の社員がいるのに、業績の低い社員がいる。そのギャップをいつになっても
埋めることができない」状態を組織風土の良さがクリアしていくことになります。

優秀な社員は常に新しいことに挑戦していくことになります。常に組織を引っ張
っていく立場・役割を持っています。それを組織原則の次の6割が真似し、
そして次の2割がついていくことになります。

業績の差を発表する時に社員がすべて笑顔でいる会社は、その次の昨日今日の
業績の高さも保証された会社と言えるでしょう。一緒に成長することをお互いに
認めた組織風土の良い会社では、感謝と相互の信頼が常に充満している会社と
言えます。ですから業績がいいのです。

逆に、業績発表する会議の場所で笑顔の社員とそうではない社員がいることは、
来月もまた厳しい業績の全体結果になることを証明していると言えるでしょう。
その組織風土を良くするということを、経営者は常に考えていく必要があるでしょう。

組織風土は、経営者の考え方をいかに仕組みに落とし込んだかにかかっています。
なぜなら「組織風土が悪くてもいい」と言った経営者はほとんどいないからです。
にもかかわらず、組織風土が良くなっていない理由は、組織風土を阻害する何か
の要因、または仕組みがあるということです。

業績を向上させるための方法は、他にもあるでしょう。しかし、組織風土が良く
なければ、その効果は一時的なもので終わってしまいます。継続的な業績向上を
望むなら、まずは組織風土を改善するための手立てを考えなければならないでしょう。

    = この続きは、来月またお送りいたします。 =

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