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施行まで約1ヶ月!創設される『産後パパ育休』とは?制度の内容を解説

22.09.06 | 法改正

改正育児介護休業法は、令和4年4月より3段階で施行され、来月10月1日には『産後パパ育休』(出生時育児休業)が施行されます。
『産後パパ育休』とは、子の出生後8週間以内に最大4週間の休業を育児休業とは別に取得できる制度です。
厚生労働省も周知広報を強化しており、男性の育児休業取得の推進策として期待されています。
従業員の方から問い合わせも増える可能性があります。ここで今一度、制度の内容を確認しておきましょう。

『産後パパ育休』(出生時育児休業)制度の内容

男性の育児を推進する取り組みとして、より柔軟な取得ができるよう新たな育児休業の枠組みとして、令和4年10月1日から『産後パパ育休』が創設されることになりました。
『産後パパ育休』は正式には「出生時育児休業」と言います。出生後8週間以内の育児休業なので、女性は産後休業期間に当たるため、一般的に男性が取得することを想定し、「産後パパ休暇」と呼ばれています。

『産後パパ育休』の創設により従来の「パパ休暇」は廃止されます。10月1日を跨ぐパパ休暇を取得していた場合は、10月1日以降は出生時育児休業とみなされることになります。
また、産後パパ育休も育児休業給付の対象となります。


●「産後パパ育休」と「パパ休暇」の違いは?
どちらも「パパ」と付いていますので紛らわしいですよね。

通常、育児休業取得は原則として子どもが1歳になるまで1回となっており、申し出ることのできる休業は連続したひとまとまりの期間です。ただし、子の出生後8週間以内に育児休業を取得した場合には、特別な事情がなくても、再度、育児休業が取得可能となっています。この出生後8週間以内の育児休業をいわゆる「パパ休暇」といいます。つまり、育児休業の特例の制度です。

一方「産後パパ育休」は、通常の育児休業とは別に新たに創設された制度です。
子の出生後8週間以内の期間に取得する育児休業という点では、「パパ休暇」と同じですか以下のような特徴があります。
・子の出生後8週間以内に最大4週間の休業を育児休業とは別に取得可能
・2回まで分割して取得することも可能(初めにまとめて申し出ることが必要)
・労使協定を締結している場合に限り、労働者が合意した範囲※2で休業中に就業することが可能

同じ「パパ」が付く制度なので紛らわしいですが、この2つの制度の違いを正しく理解できていると安心ですね。
また、令和4年10月からは通常の育児休業の2回の分割取得が可能となります。そのため、産後パパ育休と合わせて子が1歳になるまで4回の育児休業を取得可能となります。


●会社の対応が必要なこと
今回の法改正により、会社が行うことを確認しておきましょう。

①就業規則の改定
法改正に合った就業規則の改定が必要になります。主な改定内容は次の内容になります。
・産後パパ育休制度の追加と「パパ休暇」制度規定の削除が必要です。
・育児休業は分割して2回取得可能になります。現行制度では原則育児休業は分割不可です。

②「産後パパ育休」については、労働者が合意した範囲で休業中に就業することが可能
労使協定を締結している場合に限り、 労働者が合意した範囲で休業中に就業することが可能です。
労使協定を締結した上で、休業中に就業する場合は、以下①~④の手続きが必要になります。
①労働者が就業してもよい場合は、事業主にその条件を申出
②事業主は、労働者が申し出た条件の範囲内で候補日・時間を提示(候補日等がない場合はその旨)
③労働者が同意
④事業主が通知

なお、就業可能日等には上限があります。
・休業期間中の所定労働日・所定労働時間の半分
・休業開始・終了予定日を就業日とする場合は当該日の所定労働時間数未満

例)所定労働時間:1日8時間、1週間の所定労働日:5日、の労働者が
  休業:2週間、休業期間中の所定労働日:10日、休業期間中の所定労働時間:80時間の場合
  ⇒就業日数上限は5日、就業時間上限は40時間、休業開始・終了予定日の就業は8時間未満
となります。

育児介護休業法の改正については、厚生労働省よりリーフレットが公開されています。こちらも参考にしてください。
『育児・介護休業法 改正ポイントのご案内 令和4年4月1日から3段階で施行』


働き方の多様化や育児をしながらも安心して働ける環境作りのためには、制度を正しく理解して、適正に実施することが大切です。
育児介護休業の改正についての不明点等ございましたら、弊所までお気軽にご相談下さい。

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