アーチ社会保険労務士事務所

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応募したくなる求人原稿作りと、実際に応募してもらうために必要なこととは?

23.10.30 | コラム【採用と定着】

「とりあえず求人を出していい人が引っ掛かるのを待とう」、「あんまり具体的なことを書くと応募者が限定されそうだから、あえてボヤっとした感じで書こう」、「とにかく、だれでもいいからいい人が欲しい。」こんなふうに、求人を出してはいませんか?これでは、誰にも応募されないまま時間だけが過ぎる結果になる可能性が高いです。

企業が欲しいと思う人に興味を持ってもらえる求人原稿にするには、仕事内容や給与条件などを無機質に記載するのではなく、プライベートのことや、仕事についての考え方、この会社に入社するとこのような経験を積めて、このようなスキルが身につき、数年後にはこのような仕事で活躍できるようになる等、色々なメッセージを盛り込むことが望ましいです。では、具体的などんなことを書けばいいのかを解説します。

あなたの会社に入社するとどんないいことありますか

給与や労働条件など、他社と容易に比較されるような点をアピールするのはやめましょう。
例えば、給料や休日の数値のみをアピールポイントすると、より条件が良い会社に人を取られてしまいます。

そのような他社と容易に比較されてしまうような内容ではなく、
あなたの会社に入社すると、このような経験を積めて、このようなスキルが身につき、数年後にはこのような仕事で活躍できるようになる、
といった感じで、あなたの会社にいるからこそ得ることができる経験や日常が伝わるように書きましょう。条件面の数値だけで比較されると、小規模な企業は大企業に勝つことはできません。

求人原稿は、あなたの会社を売り出すための広告のようなものです。

商品の広告でも、ただ値段や機能の数値だけをアピールする広告で、どの程度効果があるでしょうか?その商品が、ある程度実績があり信頼されている場合であって、値段や機能の数値が他社に負けないものであれば、効果がある広告となるかもしれません。

しかし、よく知らない会社の商品の広告で、アピールしているのが値段だけの場合、しかも、容易に比較検討できる場所により魅力的な値段を設定している商品があれば、間違いなくほとんどのお客さんがそちらに流れてしまうでしょう。

求人でも同じです。小規模は会社が給料などの条件だけをアピールするということは、このように値段だけをアピールしている知名度が無い商品と同じようなものなのです。

広告の例に戻ると、値段や機能の数値だけをアピールするのではなく、その商品を使うと得られる特別な体験や効果をアピールしてみる方が訴求力が上がると思います。
求人でも同様に、あなたの会社だから得られるメリットをアピールしていく必要があります。

応募率を上げるために気を付けること

①対象とする人物像を明確にする
仕事のスタイルやスキルなど具体的な設定を行い、その求人原稿のターゲットの人物像を明確にする必要があります。
「誰でもいいから来てほしい」ではいけません。

②高望みしすぎない
「誰でもいい」と間口を広げすぎると誰にも届かないことを説明しましたが、逆に非常に高い条件を要求して間口を絞りすぎても応募は来なくなります。
「どうせ採用するなら、より優秀な人が来てくれたらいいな」みたいな感じで、むやみに条件を高めるのはよくありません。

③わかりやすい文章を心がける
これは自分では気づきにくく、よくやりがちなことですが、応募者への影響は大きい部分です。

その業界では普通に使われる専門用語や言い回しをそのまま求人原稿に使ってしまうと、詳しくない人にとっては
「良くわからず、難しそう」
「自分には関係な仕事」
という風に判断されて応募しようと思われない可能性が高いです。
特に未経験者を募集しているのに、このような専門的な記述があると、内容はほとんど理解できないかもしれません。
誰でもイメージできるような表現で原稿を作成しましょう。可能であれば、異なる業界の知人などに確認を依頼し、わかりづらい表現を指摘してもらうとよりわかりやすい表現に仕上がります。

④給与条件をごまかさない
あまり自信が無い場合などには、原稿にはざっくりした給料を書いて詳細は面接で説明したいと考える場合があると思います。「実際の給料を書くと、応募者が減るかも」と感じて、このような対応をしたくなるかもしれませんが、これは逆効果です。

求人原稿では、求職者が入社後のことをイメージできるような内容にすることが大切です。
それなのに、ざっくりとした給料、例えば「18万円~50万円(当社規定による)」みたいに書かれている求人では、求職者は自分がこの会社に入社したらどれくらいの給料をもらえるのかよくわかりません。

そうではなく、「未経験者は年齢に応じて18~23万円でスタート。スキルが上がり役職がつくと規定に応じて上昇します。」といった感じで、具体的に記載されていると、よりイメージがつきやすいですね。

しかし、ここから応募に至るまでには、さらに求人原稿に手を加えていく必要があります。

エントリーフォームは簡潔に!

エントリーフォームはできるだけ必要最小限にして、簡潔にしましょう。

連絡先を入手することだけを目的にするくらいで良いです。必要情報は、電話やメールなどで改めて依頼します。求人原稿を読んで、会社に興味を持ち、仕事内容や給与条件などにも納得し、「よし、応募しよう」となっても、エントリーフォームの入力項目が膨大にあるとその時点で離脱してしまう人が多く出てきます。

特に最近はスマホを使用して求人を探している人が多いです。スマホで閲覧している時に、エントリーフォームに進んだら、志望動機や職務経歴等、分量が多くて、しかも気軽に書くことができない項目があった場合、相当な割合で離脱してしまいます。

せっかく応募したい気持ちになってもらうことができたのに、エントリーフォームのために応募されない結果になってしまいます。このような状況は、とてももったいないです。

エントリーフォームでは、必要最小限の情報だけを入力してもらい、そして、会社から応募者へ、改めてコンタクトを取るようにするのが望ましいです。


今回説明したことを参考にしながら、求職者のことを考えて丁寧に原稿を作成することで、わかりやすい内容になっていくと思います。
無理のない範囲で実施していただくことで、お役に立てましたら嬉しく思います!

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