大阪プライム法律事務所

大阪プライム法律事務所

「ビッグイシュー日本」が7年になりました

10.06.13 | 非営利・公益

"

雑誌「ビッグイシュー」の販売を通じてホームレスを支援している「ビッグイシュー日本」が創刊から7年になりました。

都会の道端などで、この雑誌を手に持った人が販売している姿をご覧になられた方も多いかと思います。

販売は、ホームレスの人がしていますが、これはその方への救済(チャリティ)ではなく、販売という仕事を提供し自立を応援する事業となっています。まさに、ビジネスの戦略と手法で社会問題の解決にチャレンジする、いわゆる社会的企業としての活動と言えます。・・・(イラストもしくは「続きを読む」をクリックして本文をお読みください)
 

"

"

雑誌「ビッグイシュー」の販売を通じてホームレスを支援している「ビッグイシュー日本」が創刊から7年になりました。
都会の道端などで、この雑誌を手に持った人が販売している姿をご覧になられた方も多いかと思います。

販売は、ホームレスの人がしていますが、これはその方への救済(チャリティ)ではなく、販売という仕事を提供し自立を応援する事業となっています。まさに、ビジネスの戦略と手法で社会問題の解決にチャレンジする、いわゆる社会的企業としての活動と言えます。企業の社会的責任活動(CSR)を展開する多くの日本の企業と連携し、ホームレス問題の解決を手はじめに、社会再生キャンペーンを行い、民間の力による社会改革と社会運営までを考え進めています。

 

ビッグイシュー(The Big Issue) イギリスからスタートした事業で、ホームレスの社会復帰に貢献することを目指した雑誌を世界で販売しています。始まりは1991年で、イギリスの企業家ゴードン・ロディックが、ホームレスの社会福祉情報のほかにエンターテインメント情報なども重視してロンドンで「ビッグイシュー」第1号を発行し、成功を収めました。その後、イギリスのほかに各地で各言語に翻訳され、また独自に編集されて発行されています。

日本では、以前から各種のNPO活動をしていた大阪の佐野章二氏が、7年前の2003年9月から、大阪で日本語版を発行しました。事業主体であるビッグイシュー日本は、事業性に賭けて、NPOではなく「有限会社」形態を選びました。発行前は、日本にはなじまないとか、経営的に難しいのではないかと言われていました。しかし、発売都市が順次拡大し、毎月1日・15日に発売して発行部数は約3万5千部となりました。そしてこれまでに約400万部が売れ、累積赤字は残ってはいるも、ここ3年は連続で黒字になっているようです。

販売者(ベンダー)

現在、販売は、登録によって顔写真とナンバー入りの身分証を持った「ベンダー」という販売者(ホームレス)があたっています。ベンダーは、必ず身分証を首から吊っています。定価は300円で、このうち160円がベンダーの収入となります。

自立への3ステップ ビッグイシューは、ホームレスが現状から抜け出して自立する次の3ステップを提案しています。
(1)「脱“路上”」 一口に25冊売れば、2750円の収入が得られ、500円のコンビニ弁当を3回食べても、残金で簡易宿泊所(1泊1000円前後)に泊まれ、路上生活から脱することか可能になる。

(2)「住所を持つ」 これから更に販売部数を10冊伸ばせば、1100円が上乗せでき、貯金が出来る。貯金は1ヶ月で約3万円となり、敷金を貯めて自力でアパートを借りられるようになる。
(3)「就職活動」 新しい住所を基点に、ハローワークへ通うなど就職活動を行うことか可能に。年配者なら生活保護を受けることもできるようになる。

「ビッグイシューの挑戦」

佐野章二代表が、この6月に、この間の活動を振り返る「ビッグイシューの挑戦」(講談社 1,501円)を出版しました(写真)。「失敗確実」と言われた創刊時から、成果を上げ続ける今日まで多くの困難と闘い、「ビッグイシュー」を日本に根付かせた軌跡が描かれています。ぜひ、お薦めしたい1冊です。

 
 

"

TOPへ