大阪プライム法律事務所

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レイブルとは?

12.02.11 | 非営利・公益

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「ニート」といえば、一般には、仕事も学校も職業訓練も、いずれも受けていない者を指しています。大阪では、この「ニート」のことを 「レイブル」と呼ぼうという動きがあり、少し話題になっています。

「レイブル」とは、「遅咲き」「大器晩成」を意味する、ある言葉から来ています。
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ニートは、Not in Education, Employment or Training の頭文字を並べた「NEET」からきています。もとは、イギリスの政府機関が1999年に表した調査報告書の一文から始まったものと言われています。

この「ニート」という言葉は、日本においても就業に困難をきたしている若者が多くなってきて以降、テレビ・新聞などのマスメディアで多く取り上げられてきました。その際に作られたイメージは、「働く意欲のない若者が増えている」などと、まるで「怠け者」を指すかのようなもので、一種のニートバッシングのような感じが長く続きました。これが、ニートの状態の若者の社会参加をより困難にさせる要因にもなっていったように思います。このため「ニートという語を使用すべきではない」との意見も出ていました。
2012年2月11日 読売新聞記事から
“働く意欲があっても就労できない「ニート(若年無業者)」の生きづらさを社会に理解してもらおうと、ニート状態にある約100人が10日、JR大阪駅前に集い、人と接することが苦手で定職に就けない若者たちの実情をまとめた号外新聞を配った。府の若年者就労支援事業の一環で、「2月10日」を「ニートの日」と捉えて実施。府は、怠け者と見られがちなニートを、「遅咲き」を意味する英語「late bloomer」から「レイブル」と言い換え、新たな就労モデルづくりを目指している。”
「レイトブルーマー」=「遅咲き」
この記事にもあるように、レイブルは「レイトブルーマー」=「遅咲き」の意味です。マイナスイメージの強いニートに代わる新たな呼称として発信し、就労を後押ししていく構えです。若者の雇用機会創出を目指す事業の一環として提案されています。働こうとしている若者を前向きな名称で呼ぶことで、求人を出す企業に対するイメージアップと、仕事に就けていない若者たちへの「やる気」を引き出す狙いがあると言います。

この言葉は、大阪府の「若者の雇用機会創出を目指す事業」に協力し、人材育成・自立支援を行うNPO法人トイボックスや、社会的課題の解決に取り組むNPO法人スマイルスタイルが考え採用したそうです。府ではすでに、広く知ってもらおうとポスターを作成し、梅田駅などに貼り出し、本格的なPR活動に乗り出しています。ニートの若者は全国で約63万人いるとされ、そのうち大阪府は東京都に次いで多く、約5万5千人がいるようです。その中の半数が、働く意志をもつレイブルです。

職がなく働いていないことで、「怠け者」のイメージの付いた「ニート」と呼ばれてしまって、せっかく働きたいと思っている若者が、就職活動に支障をきたしている事態から救い出そうというのが狙いと言えるかと思います。そういった状態になった若者にとっても、自分の気持ちを引き上げることになるかもしれません。
ネットの反応
この新呼称に対して、ネット上での様々な反応が報じられています。「その人の本質が変わらなければ、どんなに呼称を変えようが、いつかは結局同じイメージが定着すると思う」、「呼び名ばっかり変えてもなぁ」「どんな名称をつけようが中身が今のままならどんな名称も悪印象になるのに根本を変えようとしないで表面だけ変えてごまかそうとするあたりがまさにニート」、「ニートが働く意思を持った瞬間にレイブルに進化すんのか、すげー」「ちょっとかっこよすぎると思うよ」など、呼び方を変えて問題の解決の一助にする姿勢への消極的な意見が多く報じられていました。他方で、「流行る気がする」たおか、「響きが好きです、レイブル」という、温かい意見もありますが少数派のようです。まあ、ネット社会とは、そんなものでしょうが。
少しでも社会変革に
ネットでは厳しい意見ですが、社会の中で漂流している若者たちが、少しでも助かるように、智恵を出していければいいのではないでしょうか。この取組に注目したいと思います。
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