大阪プライム法律事務所

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新認定NPO法人制度の申請見込みは?

12.01.13 | 非営利・公益

昨年12月1日に、内閣府は、昨年6月15日に成立し本年4月1日より施行される改正NPO法と、昨年6月22日に成立し同月30日に施行された新税制度について、NPO法人を対象に、現段階でどの程度の理解周知が図られているかを知るために実施したアンケートの結果が公表されました。どんな結果だったでしょうか。

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内閣府のこの調査は、「平成23年度税制改正及び新認定制度等に関する調査」といいます。NPO法の改正については、①寄附税制適用の認定事務及び法人格の認証事務の都道府県・指定都市での一元的な実施、②寄附金控除等の対象となる認定要件の緩和・仮認定の導入、認定等の効果の拡充、③認証制度の見直し等を盛り込まれました。昨年6月に成立した新寄付税制関連法案とあわせて、認定NPO法人制度が抜本的に改革されたことになります。今回の調査は、こうした状況を踏まえて実施されたものです。

調査は2011年10月にインターネット調査により実施され、全国のNPO法人から無作為に抽出した15,000法人が対象で、2,111法人から回答がなされました(回収率14.1%)。

回答の概要
■「認定NPO法人になることで得られるメリットはどのようなものであると思いますか」については、多い順で以下のようなものでした。(複数回答可)①寄付金を集めやすくなる(73.4%)
②社会的信用・認知度が高まる(65.1%)
③法人自身が税制上の優遇措置を受けることができる(46.0%)

■「パブリックサポート要件の緩和や寄付者が所得控除と税額控除を選択できるなどの税制改正が行われたことはご存じですか」(多い順で3番まで)
①内容までは知らないが聞いたことはある(50.8%)
②知らない(29.0%)
③改正内容を知っている(19.6%)

■「平成24年4月から認定NPO法人の新たな認定制度が始まることをご存知ですか」(多い順で3番まで)
①内容までは知らないが聞いたことはある(47.7%)
②知らない(34.2%)
③改正内容を知っている(17.5%)

■(新制度の概要を資料で読んでもらった上での質問として)「認定NPO法人の制度を利用したいと思いますか」(多い順で3番まで)
①関心はあるが、申請の予定はない(58.8%)
②平成24年4月から認定・仮認定を申請する予定である(21.3%)
③関心がない(11.2%)

■「総収入に占める寄附の割合が20%以上である(相対的基準)、または、年3,000円以上の寄付者が100人以上である(絶対的基準)」について、前事業年度と今事業年度を聞いているが、今事業年度の回答をみると、多い順で3番までは以下の通り。
①満たす見込みがない(49.1%)
②満たす見込みである(32.2%)
③わからない(13.3%)

■認定・仮認定申請を行う予定のある法人への質問「申請はいつ頃の予定か」(多い順で3番まで)
①平成24年度(65.9%)
②平成25年度(19.4%)
③わからない(11.5%)

■申請を行う予定がない法人にその理由を質問(複数回答可)(多い順で3番まで)
①PST要件を満たせない(52.2%)
②申請作業を行うスタッフ・時間の不足(40.7%)
③制度の仕組みの理解が困難(28.0%)

以上から見えてきたもの
認定NPO法人になることのメリットのおおまかな理解は広がっているようですが、今回の改正の内容の理解度は、まだ充分なものにはなっていないように思いました。ただ、新しい基準でのPSTを満たせると答えた法人が3割を超え、実際に申請を考えているのが約2割に及んでいました。実際の申請は、平成24年度にという法人が多くて、今年から来年にかけて、多くの認定NPO法人が生まれるものと期待できます。

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