社会保険労務士法人アルコ

温故知新

18.01.09 | 音楽室から

新年明けましておめでとうございます。
旧年中は、大変お世話になりました。
本年も倍旧のご愛顧のほど、宜しくお願い申し上げます。

さて、さて、新年初の音楽室からは、またもやバイオリンのお話を。
最近私のバイオリンの音に明確な差が出てきました。
一台はクレモナの新作でマスターメイド。中々の製作家で、工房も多く持っています。
強めの楽器ゆえ、なかなかいうことを聞いてくれません。じゃやじゃや馬ですね。

もう一台も、クレモナの新作ですが、女流作家さんの作品。
お父様もお兄様もマエストロですが、実に端正な作りで、優しい音がします。
対局な2台ですが、どうも楽曲によって選定が難しい。
でしゃばりすぎたり、おしとやかすぎたりと。

ああ、深く甘く大地の大樹の響きが欲しい…。

そんな時に、オールドバイオリンに出逢いました。もちろん、私ごときが手に入れられるものではありません。
1700年代を中止として栄華を誇った、アマティ、ストラディバリ、ガルネリなどです。
材が完全に乾燥しており、枯れた深い音色がします。
その後、ストラディバリ、ガルネリのコピーが数多く制作され、イタリア、フランス、ドイツを中心にバイオリン製作が活発になりました。
この時代に作成されたものは、モダンバイオリンと呼ばれてます。概ね100年前後といったところでしょうか。

この時代は、大量生産が始まり、名もない作家の作品や複数名で手掛ける工房製ではそれほど高値では取引されていませんでした。
そういったきちんと作られていながら、現代まで戦火をくぐり抜けて生き延びてきた楽器たちは、静かに眠りについています。
販売店によっては、数百万円で取引されていることもありますが、30万以下のものも少なくありません。
どこぞの新作セットでも30万以上します。駄目なものはダメですが、しっかりとした作品は弾けばわかります。私ならば、迷わずモダンをお勧めします。

こうした古い時代の楽器たちがあるからこそ、今の楽器がある。
私たちの生活も同じです。故きを温ねて、新しきを知る。

私のバイオリンたちとの付き合い方に、また、違った一面を知ることができたような気がします。
行き詰ったら、原点に立ち戻ってみる。大切ですね。

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