社会保険労務士法人アルコ

健康診断について

18.04.06 | 絶対合格 社労士! 受験生日記

4月は従業員の方の雇入れの時期ですね。
事業者は、「常時使用する労働者」を雇い入れるときは、医師による健康診断を行わなければなりません(労働安全衛生法規則第43条)。
ここでいう「雇い入れるとき」とは、「雇い入れの直前又は直後」をいうものとされています。
また、事業者は、労働安全衛生法第66条に基づき、労働者に対して、医師による健康診断を実施しなければなりません。また、労働者は、事業者が行う健康診断を受けなければなりません。ただし、自ら他の医療機関で受けた診断書を提出した場合は除かれます(同条第5項)。
定期健康診断( 労働安全衛生法規則第44条)は各企業で実施しているので、馴染みがありますが、雇入れ時の健康診断は忘れがちですので、注意が必要です。また、原則として診断項目の省略ができません。(定期健康診断は医師が必要ないと認める場合、★マークの項目を省略可)

1 既往歴及び業務歴の調査
2 自覚症状及び他覚症状の有無の検査
3 ★身長、体重、★腹囲視力及び聴力の検査
4 ★胸部エックス線検査 及び★喀痰検査
5 血圧の測定
 貧血検査(血色素量及び赤血球数)
 肝機能検査(GOT、GPT、γ―GTP)
8 ★血中脂質検査(LDLコレステロール,HDLコレステロー ル、血清トリグリセライド)
血糖検査
10 尿検査(尿中の糖及び蛋白の有無の検査)
11 ★心電図検査

・雇入時の健康診断(安衛則第43条):常時使用する労働者 雇入れの際
・定期健康診断 (安衛則第44条):常時使用する労働者(次項の特定業務従事者を除く) 1年以内ごとに1回
・特定業務従事者の健康診断(安衛則第45条):労働安全衛生規則第13条第1項第2号に掲げる業務に常時従事する労働者
・海外派遣労働者の健康診断(安衛則第45条の2):海外に6ヶ月以上派遣する労働者
・給食従業員の検便(安衛則第47条):事業に附属する食堂または炊事場における給食の業務に従事する労働者

最後に過去問を見てみます。

問:健康診断の受診に要した時間に対する賃金の支払いについて、労働者一般に対し行われるいわゆる一般健康診断に受診に
  要した時間については当然には事業者の負担すべきものとされていないが、特定の有害な業務に従事する労働者に対し
  行われるいわゆる特殊健康診断の実施に要する時間については労働時間と解されるので、事業者の負担すべきものとされて
  いる。(H27)

答:○
  特殊健康診断は、事業の遂行にからんで当然に実施されなければならない性格のものであり、所定労働時間内に行われることを
  原則とすること、また、実施に要する時間は労働時間と解されるので、当該健康診断が時間外に行われた場合には、
  当該割増賃金を支払わらなければならないものであること、とされています。

次回は、有害な業務に常時従事する労働者等に対する特殊健康診断について纏めてみたいと思います。 

千住 和明

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