インプラント周囲炎の予防にはメインテナンスが重要!
13.10.06 | 業種別【歯科医業】
日本では、歯科疾患のうち、
むし歯、歯牙欠損は減少傾向にあります。
一方で、歯周病が増加。
歯周病は定期的な歯科受診で、
歯科衛生士によるメインテナンスを受ければ
かなりの程度、発症、進行を抑制できるとされています。
また、インプラントの予後不良の
代表格とされるインプラント周囲炎は、
メインテナンスがなされていなければ、
かなりの頻度で発症し、重症化してしまいます。
機械的に歯槽骨に固着されたまま 周囲炎が進行すると、
インプラントの 脱落前に細菌が血液内に侵入し、
菌血症、 さらには敗血症に至り、
糖尿病の既往があるようなハイリスク症例では
死亡例もあります。
歯科医療にとって、メインテナンスは 極めて大きな
意味を持っているのです。
国際的に見て、日本は早くから歯科衛生士制度が
整えられた国ですが、 なぜか、歯科衛生士の活躍しやすい
環境であるとは認識されていません。
理由はさまざまですが、第一に、歯科医院の雇用環境が
決して良くないという点が挙げられます。
東京などでは基本給が上がっていますが、 社会保険に加入させていないなど、
歯科医院のほとんどが小規模事業所であるため、
待遇面でかなり問題があるところが少なくありません。
しかし、歯科衛生士を雇用していなければ 請求できない点数項目もあるため、
医院ごとに歯科衛生士の取り合いとなり、 相性が悪いのに
「辞められては困る」と、 歯科衛生士に媚びているような院長も少なくないのです。
待遇は悪いのに媚びる…。
これでは、人材の質も低下してしまう危険があります。
また、生活者の中に、歯科医院に定期来院するという習慣が、
まだまだ根付いていないのも事実です。
これは、社会的な課題ですからなかなか答えが見つかりません。
メインテナンスの歯科受診に力を入れたければ、
まずは歯科衛生士の雇用環境を見直してみましょう。
次回は「事業承継しやすい歯科医院、しにくい歯科医院」をお届けします。
【記事提供元】
月刊『アポロニア21』 (株式会社日本歯科新聞社)
編集長:水谷惟紗久
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