クレーム対応の最終目的は、予防であって処置ではない
13.11.10 | 業種別【歯科医業】
もしクリニックのスタッフに
「クレーム対応について何が知りたいですか?」
というアンケートを実施したら、
「クレーム患者にどうやって対処したらいいか知りたい」
という答えが圧倒的に多いでしょう。
クリニック経営、次の一手
これは、現場で診療を行っている
スタッフの意見としては当然のことです。
いくらクレーム内容の分類や集計をしても
目の前のクレームが解決するわけではありません。
「どう対応すればクレームを解決できるのか」
に興味が集中するのは、
クリニックに限らずどの業種であっても
現場で働く人たちの共通した考えといえます。
しかし、経営という視点に立ったときに、
現場と同じく後処理だけに
意識を向けていることで良いのでしょうか。
次の2つのクリニックを比べてみてください。
A:完璧な対応マニュアルに沿って、
クレームを処置できるクリニック
B:原因をしっかり究明し、
クレームが予防できる環境創りをするクリニック
患者にとっても、スタッフにとっても、
Aのようにクレームが
起こった後の処置に長けたクリニックよりも、
クレームを起こさない努力をするクリニックの方が、
通院しやすく勤めやすいはずです。
何事も失敗から学ぶことが多いのと同様に、
クレームが起こったことによってそれまで気付かなかった
クリニックの改善点が見えてきます。
後処理や責任追及ばかりにとらわれず、
何を変えれば同じクレームが起こらないかを
クリニック全体で考え、
以後のクレームを防ぐことこそ
クリニックの経営にとっては重要です。
クレーム対応の最終目的は、後の処置をすることではなく、
これからの予防をすることにあります。
次回の「クリニック経営、次の一手」は、
「是か?否か?クレーム対応のマニュアル化 」をお届けします。
[プロフィール]
長田 耕一(ながた・こういち)
(フォーユーメディカル株式会社 取締役副社長)
広域医療法人の元法務責任者としてクレーム対応を経験。その数は1,000件を超える。現在は、医院の第三者継承をマッチングする「クリニックM&A」事業にてM&Aアドバイザーとして年間20件以上の譲渡成立を支援するとともに、医師会や企業研修での講演、各種媒体でのコラム執筆などで活動中。共著に「医業承継の完全実務」(日本法令)。
http://www.4um.co.jp/
http://www.clinicma.com/
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