提案を引き出す“決めゼリフ”とは?
15.02.11 | 業種別【美容業】
NBBAサロンユーザー調査2013年によると、ヘアサロンからスタイル変更の提案をされたお客さまは2割に満たないそうです。
ただ、提案を受けたお客さまの8割は、実際にヘアスタイルの変更を受け入れており、その9割近くが満足しているという結果が得られています。
関東郊外の商店街に店舗を構えるサロンLは、お客さまと長く付き合えるための提案を心掛けています。
となりのヘアサロン
サロンLの主な客層は、30代後半から40~50代。
この年齢層は、美容に対して少なからず悩みを抱えています。
「若ければどうにかなってしまうことでも、年齢を重ねると今までと同じようにはいかない。だけど、どこで相談すればよいかわからない」
会話の節々にこのような悩みが出てきたら、しっかりと察知。
ひとつの「決めゼリフ」を発します。
「以前、同じように悩んでいる人がいましたよ」
この一言で、お客さまは話しやすい雰囲気になるそうです。
そこでたとえば「髪のボリュームがなくなってきた」という悩みがわかったとします。
すると、パーマという提案が考えられるでしょう。
ですが、ストレートに伝えるのではなく、顔色をうかがいながらサロンからメニューを薦めすぎないようにします。
そこで興味を示していないようならば、「知ってもらう」ことにとどめて、それ以上は話さないようにしています。
ここで重要なことは「すすめる」ことよりも「知ってもらう」こと。
お客さまが子育て等で普段の生活が忙しく、サロンがすすめるメニューができなくても、結婚式等いざというときに思い出してもらえれば、後々になって「お願いします」と言ってくることを狙いとしています。
オーナーのEさんは次のように語ります。
「お客さまは子育てや仕事などで忙しいなど、状況は異なります。そこで一人ひとりの普段の生活を鑑みた提案をしていくべきだと考えています。一時の売上よりも、持続して長く付き合ってもらうことのほうが大切。たとえば今回単価が4000円でも、次回は納得して5000円のメニューをしてくれて、長く通っていただける方が、お互いのためになるのではないでしょうか」
誠心誠意の取り組みを大事にするサロンL。無理せず一生涯のお付き合いができる提案を実践しています。
【記事提供元】
サロンオーナー2014年12月号(理美容教育出版)
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