2016年診療報酬改定を振り返る(2)…かかりつけ歯科
16.10.07 | 業種別【歯科医業】
今回の保険診療報酬改定は、「2025年モデル」と呼ばれる地域包括ケアシステムの基礎造りという意図が強く見える内容となっています。
地域包括ケアシステムの構築には、地域内の医療機関による相互補完体制が必須となります。
そのなかで診療所に期待される役割として「予防診療」「在宅診療」があり、今回の改定に合わせて、それぞれの機能を強化するための制度が設けられました。
「予防診療」の制度として設けられたものが、「かかりつけ歯科医機能強化型歯科診療所」という制度です。
認定を受けるには、患者が外来・在宅を問わず虫歯、歯周病、摂食機能障害などが重症化しないように、しっかりと予防の指導や管理をする機能が備わっている診療所であることが求められ、そのために7つの条件が定められています。
<かかりつけ歯科診療所の認定条件>
(1)歯科診療所であること
(2)複数の歯科医師、または、歯科衛生士の配置
(3)医療安全対策、高齢者の口腔機能管理に係る研修
(4)歯科訪問診療料、歯周病安定期治療等の算定実績
(5)医療安全対策への体制整備
(6)緊急時の体制整備
(7)医療、介護との連携体制
<かかりつけ歯科診療所のメリット>
認定を受けることのメリットとしては、保険診療の対象となる診療が増えることや、診療点数の加算があることなどが挙げられます。
それ以上に大きなメリットとして、近隣住民に対して「地域に根付いた診療所である」というアピールができます。
実際、認定を受けた診療所のHPを見ると、競合が激しい歯科診療所にとって新たな差別化の一つとして有効に活用されているようです。
《間接型HPアピール》
「通いやすい」「説明が詳しい」「他医療機関と連携している」「予防指導が丁寧」など、自院の特徴を案内しているHPとは別で、「かかりつけ歯科医を持つメリットと選ぶポイント」を説明するページを作成します。
かかりつけ歯科医を選ぶポイントとして「通いやすい場所にある」「治療法についてきちんと説明してくれる」「必要に応じて適切な医療機関を紹介してくれる」「予防のための指導やアドバイスをしてくれる」といった、自院の特徴に合致する内容を列記することで間接的にアピールする方法です。
《直接型HPアピール》
トップページに、「当院は、地域の他の医療機関などとも連携し、必要に応じて適切な歯科医療サービスを提供できる歯科診療所として認定されました」と直接的にアピールする方法です。
クリニック経営、次の一手
[プロフィール]
フォーユーメディカル株式会社 アットベネフィット事業部(大城正和・町山卓)
同事業部では、医療・介護従事者のための福利厚生サービス「@Benefit」として、歯科医院スタッフにも大企業社員並みの福利厚生をさらに医療・介護分野だけの特別プログラムをプラスして提供しています。
@Benefit(アットベネフィット)
営業スタッフは、医療介護福祉事業に特化した採用・求人から教育・評価までをサポートする人材戦略コンサルタントとしても活躍中。
[記事提供]
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