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- 19.09.07 | ニュース六法
- 芸能界と独禁法
- 公正取引委員会が、芸能分野の契約や取引について独占禁止法で問題となり得る行為の具体例をまとめ、8月27日に開かれた自民党の競争政策調査会で提示したことが、朝日新聞や日経新聞などで報道されました。芸能事務所がタレントとの間で交わす契約や取引について、具体的なケースを明示しているということです。この見解は、今後、実質的な指針として業界への周知にも活用するということです。(朝日新聞 2019年8月27日記事「芸能事務所の問題行為、公取委が例示 TV出演妨害など」、日経新聞 同日記事「芸能分野の問題行為、公取委が例示 移籍妨害など」。)
この具体的事例は、今後、芸能界のみならず、フリーランスで活躍している方々や、そうした方々と契約をしている事業者にも大きな影響があるものと思われます。 - 続きを読む
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- 19.08.01 | ニュース六法
- SMAP問題と吉本興業 共通する問題点
- 吉本興業が揺れに揺れています。
所属する芸人が反社会的勢力の主催する会合に参加して金銭を受け取っていたとして、10数名を謹慎処分にし、宮迫博之さんとの契約を解消したと発表しました。その後、その宮迫さんと田村亮さんが会見して謝罪を行った際に、吉本側の対応に不信感を示したことから、吉本の岡本昭彦社長が会見して謝罪し、契約解消処分を撤回する意向を明らかにしましたが、騒動は収まる気配がありません。
そのような中、公正取引委員会の事務総長が、定例会見にて、吉本興業が所属タレントとの間で契約書を交わしていないケースが大半であることについて聞かれた際に、「独占禁止法上問題となるおそれ」について触れました。実は、芸能界やスポーツ界、フリーの技術者、アニメーターなど個人で仕事を請け負うフリーランス的な形で活躍する人たちの契約のあり方を巡って、公正取引委員会が最近、大きくメスを入れ始めています。ジャニーズ事務所から独立したSMAP3名の問題もその一連です。この動きは、さらに、ライターやIT技術者、コンサルタント、通訳・翻訳家などにも広がる話です。 - 続きを読む
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- 19.07.08 | ニュース六法
- 私戦予備・陰謀罪の疑いで書類送検??
- 警視庁公安部が、7月3日に、「私戦予備・陰謀」容疑で、当時北海道大生だった男性ら5名を書類送検したというニュースが流れました。2014年に過激派組織「イスラム国」(IS)に参加するためシリアへの渡航準備をしたというのが嫌疑内容のようです。
報道では、この罪名の適用は、刑法の施行以降初めてということです。他の4人というのは、イスラム学者(元同志社大教授)、フリージャーナリスト、千葉県の男性、渡航を呼び掛ける張り紙をした古書店関係者とのことです。渡航を呼び掛ける張り紙は、SNSなどで拡散されていました。私戦予備・陰謀罪とは、いったい何でしょうか。 - 続きを読む
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- 19.05.03 | ニュース六法
- 三種の神器の承継と贈与税
皇太子さまが2019年(令和元年)5月1日に新天皇に即位されました。
その際に行われた皇室典範第24条に根拠を置く「即位の礼」では、5つの儀式(剣璽等承継の儀、即位後朝見の儀、即位礼正殿の儀、祝賀御列の儀、饗宴の儀)が国事行為として行われました。その最初に行われた「剣璽等承継の儀(けんじとうしょうけいのぎ)」は、そこでは、歴代天皇に伝わる三種の神器のうち、「剣」と「璽」(じ=まがたま)、公務で使う天皇の印の「御璽」(ぎょじ)、国の印の「国璽」(こくじ)が新天皇に引き継がれましたが、これらはどのようなものなのでしょうか。法的な位置づけとともに解説しました。- 続きを読む
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- 19.04.01 | ニュース六法
- 5月から「令和」
天皇陛下が4月30日に退位され、5月1日に今の皇太子さまが新天皇に即位し、元号が平成から「令和」に変わることになりました。天皇陛下の退位日については、平成 29 年6月に「天皇の退位等に関する皇室典範特例法」が定められ、この法律の施行期日を「平成 31 年4月 30 日とする」旨の政令が出されました。このように、日本国憲法は、国民主権を掲げていることから、天皇の退位などはすべて国民が決めるとしているので、すべては法令で根拠が決められてきています。
さて、天皇の即位と改元との時間差について、平成改元時と今回とで違いがあるのにお気づきでしょうか。- 続きを読む
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- 19.01.27 | ニュース六法
- 相続法改正で生まれる「配偶者居住権」
昨年、約40年ぶりに相続法の改正が公布されました。本年(2019年)1月13日からは、自筆でつくる遺言書でも財産目録はパソコンで作成できるようになりました。これ以外にも、施行はこれからですが、法務局での自筆証書遺言の保管制度や配偶者居住権が創設され、被相続人の介護や看病で貢献した親族は金銭要求が可能となるなどもあり、大きな改正です。
今回は、このうち「配偶者居住権」についてお話します。自分が亡くなったあとで、残された配偶者が、他の相続人から何を言われても、自分の所有する自宅に住み続けさせたい場合には、これを活用した事前対策なども取ることができます。- 続きを読む
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- 18.12.01 | ニュース六法
- 元貴乃花親方は「卒婚?」
元横綱で、今年の秋に日本相撲協会を退職した元貴乃花親方(花田広司氏)が、元フジテレビアナウンサーの河野景子氏と離婚していたということが報じられました。離婚届出は10月25日だそうですから、退職直後ということになります。家庭内のことですから、それ自体はどうでもいいことかと思いますが、元親方自身が、テレビのワイドショーで、このことについて、「お互い結婚を卒業しようということで、2人で決めました」と話したことが、「卒婚した」という形で報道され、その言葉が改めて注目を浴びました。卒婚というと何となく響きがいい感じを与えますが、果たしてどういうことでしょうか。
(写真:「卒婚のススメ―後半生もハッピーに生きるため結婚のかたちを変えてみる」単行本 – 2004/3 杉山由美子 (著) 現在は文庫版でのみ入手可)- 続きを読む
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- 18.10.07 | ニュース六法
- 映画「カメラを止めるな!」を止めろ?著作権侵害クレーム
映画『カメラを止めるな!』が話題になっています。まだ見てはいないのですが、聞くところでは、制作費300万円で、最初は2館だけでの公開で、無名の監督とキャストらによる映画だったが、評判が広まり、今では全国各地で公開され、興行収入はうなぎ上りに上がって、すでに10億円を超えているとのこと。このような無名の映画が大ヒットするなど、珍しいことです。
ところが、雑誌「FLASH」が、数年前に上演された舞台「GHOST IN THE BOX!」の演出家が、この映画を指して「(舞台の内容を)無断で真似された」と訴え、「原作」としてのクレジットを求めていると報じました。「カメラを止めるな!」が、著作権によって止められるのでしょうか?(上の写真は、映画『カメラを止めるな!』のポスター)- 続きを読む
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- 18.09.08 | ニュース六法
- 裁判官はツイッターが許されない?
ある女性が公園に放置されていた犬を発見して保護したが、約3ヶ月してから元の飼い主から返還を求められた訴訟がありました。そのような無責任な元飼い主には犬は返せないとし、「元の飼い主は公園に放置した時点で犬の所有権を放棄した」として裁判で争いましたが、東京高裁は返還すべきという判決をしました。
これについて、飼育放棄をした者へ戻せとするのはおかしいのではないか、という意見がネットを騒がしました。これについて、ある裁判官が、自身のツイッターで、この高裁判決への疑問を発信したことについて、裁判官の懲戒処分手続きにあたる「分限裁判」にかけられ、本人の意見を聞く「審問手続き」が近々行われることとなりました。裁判官はツイッターを自由に発信してはいけないのでしょうか。- 続きを読む
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- 18.08.03 | ニュース六法
- ハリルホジッチ元監督の1円訴訟
あのバヒド・ハリルホジッチ氏が、日本サッカー協会と田嶋幸三会長に、謝罪広告や慰謝料1円などを求めた訴訟が始まったようです。
同氏がサッカー・日本代表監督を4月に解任された後に、協会による解任発表記者会見で名誉を傷つけられたとして、謝罪や慰謝料1円などを求めた訴訟の第1回口頭弁論が、7月27日に東京地裁で開かれました。訴状では、田嶋会長が、会見で「選手との信頼関係の薄さ」を挙げたことについて、「コミュニケーション能力を持たず、独断・独裁的な印象を与え、監督としての社会的評価を著しく低下させた」と主張していました。これに対して、日本サッカー協会側は、①双方の間には「仲裁合意」があるので東京地裁には管轄が無く訴えの却下をすべき、②コミュニケーション問題の不足という田嶋会長の発言後、ハリルホジッチ氏には監督就任のオファーが届いており、評価は低下していないし名誉毀損には当たらない、と反論したようです。
請求額が1円というのも気になりますが、仲裁合意の主張が出たことは興味深く感じます。- 続きを読む
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