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- 18.06.30 | ニュース六法
- ブロック塀倒壊事故~総無責任社会の怖さ
このたびの大阪北部地震で被災された皆さまに心よりお見舞い申し上げます。
6月18日に大阪北部を震源とした大地震で震度6弱を記録した高槻市では、小学校でブロック塀が倒壊し、通学中の4年生の9歳女児が死亡しました。大変いたましいことです。倒れたのは、ブロック8段で組まれた上段部分(高さ1.6メートル)で、約40メートルに渡って道路側に倒れたようです。
ブロック塀の倒壊による死亡事故は、これまでの震災でも数多く報告されています。大きくクローズアップされたのは、昭和53年(1978年)の宮城県沖地震でした。このとき、多くの方がブロック塀の倒壊によって亡くなられています。その都度「同じ思いをする人が今後出ないように」という思いが社会に生まれていたはずですが、教訓は活かされてこなかったのでしょうか。法的責任はどうなるのでしょうか。
このような危険なものを放置してきた社会は、総無責任社会であると思わざるをえません。- 続きを読む
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- 18.06.03 | ニュース六法
- 日本の優生思想~強制不妊手術問題
かつて、障がい者らに不妊手術が強制されていた時代がありました。しかも戦後の長い間でした。差別的な医療行為が「国益」「公益」を理由に続いていたのでした。しかも、国家がした行為とはいえ、当時は社会全体がこれに疑問を感じず、むしろ市民運動のように遂行されていたと聞いて、ただただ驚くばかりです。仙台、東京、札幌で70代の被害者の男女3人が国家賠償を求め提訴した今になって、ようやくこの問題が大きく報じられるようになりました。ただ、何十年も前の手術記録等があまり残されていないため、その救済は容易ではありません。「優生保護法」という名の法律は、どのような思想でできていたのでしょうか。
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- 18.05.01 | ニュース六法
- TOKIOメンバー事件と白雪姫物語について
4月25日、TOKIOのメンバーが、2月に自宅マンションで女子高校生に無理やりキスをするなどの行為をしたとして、警視庁が強制わいせつの疑いで書類送検したことが報じられ大きな騒ぎになりました。女子高校生とは仕事を通じて知り合い、部屋に入ると酒を飲むように勧めたとのことです。本人は事情聴取では事実関係を大筋で認めているということで、所属事務所と被害者側が話し合った結果、被害届を取り下げる手続きを行ったということです。今回の件で、キスだけでも強制わいせつ罪が成立するのかと聞かれることがありました。
事実とすれば大変にけしからぬ行為ですが、もし、それが成立するならば、童話の白雪姫に王子様がキスをして目覚めさせた行為はどうなるのでしょうか。- 続きを読む
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- 18.03.10 | ニュース六法
- 女性専用車両は「違憲」?
2月16日午前8時40分ごろ、東京メトロ千代田線の国会議事堂前駅で、女性専用車に乗った男性客が、駅員の要請に応じずに居座るトラブルが起きたことが報じられました。この影響で千代田線の運行が最大で約15分遅れたそうです。
当日の朝日新聞記事によれば、同線は午前7時10分から同9時半まで全列車で1両を女性専用車にしていて、駅員に女性客から「専用車に男性がいる」と申告があり、駅員らが乗っていた男性3人に降りるように説得したが応じなかったとのことでした。列車はしばらく停車後、男性を乗せたまま出発し、男性は3駅先の表参道駅で降りたということです。
このようなトラブルが、いま東京で相次いでいるそうで、どうやら女性車両に反対する男性のグループが、計画的か無計画なのか分かりませんが、各地で意図的にトラブルを起こしているようです。彼らの主張は、女性車両は男女差別で憲法に違反し、自分たち男性を排除するのは不法行為だと言っているようです。本当でしょうか。- 続きを読む
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- 18.01.28 | ニュース六法
- 仮想通貨~取引所の破綻と被害回復
出川哲朗さんが出て派手なCMが流れていた、仮想通貨取引所大手の「コインチェック」が、1月26日に会見して、不正アクセスによって仮想通貨「NEM(ネム)」約580億円相当分が流出したと発表しました。仮想通貨というと、何やらわかりにくい世界ですが、値上がっているなどとして、投機の対象として関心を呼んでいただけに、大騒ぎの様相です。28日未明に、被害を受けた26万人に日本円で返金する方針を発表しましたが、時期や手続きについては検討中としています。
本当に返金が可能なのか、その原資はどうするのかなど疑問点は多く、資産の回復は難しいのではないかとも思われます。ただ、ビットコインの消失を招いたかつてのマウントゴックス社の破産手続きにおいては、全額弁済の可能性も取り沙汰されるという驚きの動きもあります。- 続きを読む
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- 18.01.04 | ニュース六法
- 紅白歌合戦と労働基準法~倒れた欅坂46
昨年末の第68回紅白歌合戦で、欅坂46メンバーが、紅白後半で「不協和音」を歌った後、総合司会の内村光良と一緒に再登場し、同曲のサビ部分を一緒に激しく踊りました。ところが、その終了間際に、メンバーの鈴本美愉が後ろに倒れ込んだほか、センターの平手友梨奈も途中からふらつき、最後のポーズで手が震え続けました。メンバーの志田愛佳も含め3人が、過呼吸状態で容体が悪く、終演後に舞台から運び出されたということでした。センターを務める平手友梨奈は何と16歳であるし、倒れこんだ鈴本美愉は20歳、志田愛佳は19歳です。
ネットでそのシーンを確認しましたが、夜間の大変な重労働で、この子たち大丈夫なの?と、親でもないのに心配になってきました。紅白歌合戦と労働基準法について考えてみました。- 続きを読む
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- 17.12.08 | ニュース六法
- 相続権を奪いたい~非行・虐待による廃除とは
オウム真理教による一連の事件で死刑が確定した元教祖、麻原彰晃死刑囚(本名・松本智津夫)の四女が、代理人弁護士と一緒に記者会見して、横浜家庭裁判所に、自分の推定相続人から両親を除外するよう申し立て、10月31日に、裁判所がこれを認める審判をしたことを公表しました。これは、推定相続人の「廃除」という手続きになります。「廃除」という言葉は、あまり聞きおぼえのない方が多いと思いますが、将来、自分が亡くなった際に、法律的に相続する予定の者を、相続人からはずすための手続きを言います。廃除された推定相続人は相続権を失い、相続人となることができません。
よく似た語感のものとして、勘当という言葉があります。ときどき、やんちゃで手に余った息子や娘などを「勘当したいが、どうしたらいいでしょうか?」という相談を受けることがありますが、現在の法制度では、勘当という制度はありません。廃除とはどういうものか、その手続き方法、今回のようなケースをどう見かについて、書いてみました。
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- 17.11.04 | ニュース六法
- 強制わいせつ罪の判例変更へ 「性的意図」は不要か
昨年、ある強制わいせつ事件で、大阪高裁で言い渡された有罪判決に対して、最高裁で審理がされていますが、審理が大法廷に回付され、平成29年10月18日に当事者双方の意見を聞く弁論が開かれました。年内にも判決が言い渡される見込みですが、どうやら、昭和45年に出されていた最高裁判例が変更されると思われます。
論点は、強制わいせつ罪の成立において、「性的意図」を必要としてきた過去の最高裁判例に対して、それを必要としないとするかどうかです。どういうことでしょうか。
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- 17.10.01 | ニュース六法
- ミサイルが飛んできたら
9月29日、韓国のメディアが、北朝鮮の平安南道(ピョンアンナムド)南浦(ナムポ)造船所で潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)の水中発射試験とみられる動きが捉えられたと報じています。北朝鮮が、今年に入ってから、たびたびにわたってミサイル発射を繰り返し、また核実験も重ねて行ったりしています。隣国の脅威と言って静観してきたが、万が一、北朝鮮が暴走して核ミサイルを日本に向けて飛ばして国内に飛び込んできたとき、大量の死傷者がでるし、建物や家財などへの損害も想像がつかない事態になることが予想されます。
こんなとき、個人に生じた損害について、誰が損害を賠償・補償してくれるのか、保険などで自己防衛するしかないのか、その保険金すらはたして出るのか、多くの疑問は出てきます。架空で終わってほしいですが、念のために整理してみました。
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- 17.09.02 | ニュース六法
- ゾウガメの懸賞金と民法改正
岡山県玉野市の渋川動物公園から、8月1日に逃げ出したゾウガメ「アブー」が、8月16日に、近くの山中で、探していた親子に発見され無事に保護されました。発見した親子は、このことをニュースで知って捜しに来たようで、探し始めてわずか約15分で発見したとのこと。2日前に懸けられたばかりの懸賞金50万円を受け取りました。
発見時の毎日新聞の記事によると、発見した父親は「無事でよかった。懸賞金で家族でおいしいものを食べます」と話し、息子さんは「夏休みのいい思い出になった」と笑顔だった報じています。実は、このような懸賞金について、民法でルールが定められています。実はこのルールも、今回の民法改正で少し改正されました。
【写真は日テレNEWS24より】- 続きを読む
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