TFSコンサルティンググループ/TFS国際税理士法人 理事長 山崎 泰

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『飛べない鳥たちへ』~鉄の意志・吉岡秀人医師との出会い~

15.12.13 | ご案内・ご紹介

■ 吉岡秀人先生の熱い原点が、「ジャパンハート」へ

ミャンマーの地での小児外科医・吉岡 秀人先生との出会いは、感動を超えて衝撃的ですらありました。

TV番組「情熱大陸」などでも特集されたので、ご存じの方も多くいらっしゃるかと思いますが・・・

20年前、医療器具も手術室も満足にないミャンマーの地に、30歳の若さでひとり飛び立たれた原点!
そして今では、吉岡秀人先生の熱き原点が、医師・看護師・学生はじめ多くの次世代に伝導して、無償無給の国際医療ボランティア『ジャパンハート』が、海を越えて各地で活動するにいたっています。

(つづく)

■ ミャンマーとの出会い

1995年、生まれてはじめて、この国が軍事国家だということすら知らずにミャンマーへ。

インパール作戦はじめ第2次世界大戦で家族を亡くした日本人遺族の慰霊団に、
医師として同行したのが、ミャンマーと出会ったきっかけ。
携行した医療器具は、聴診器ひとつだけ。 

 ミャンマーの地で、亡夫が戦死した方角を向いてたたずみ続ける老婦人の姿・・・
 この地で亡くなった人たちは、大地の一部となり、帰ってくることはない。
 しかし今、その大地は、ミャンマーの人たちを生み出している。
 大地に溶けていった日本人から、ミャンマー人が生まれてきている。 
 戦争中、インパール作戦で敗走する日本兵に、多くのビルマ人が食料と水を与え、
 イギリス兵に隠れて、家に匿ってくれた。
 戦後、食糧難に苦しむ日本に、最初にコメを援助してくれたのもミャンマーだった。
 そんなミャンマー人や、自らの命を犠牲に将来の平和を託して戦死していった日本の先達に、
 日本人として、そして医師として恩返ししたい。

20年前、そんな想いで覚悟を決めたそうです。 

■ “飛べない鳥”になりそうなとき

「日本での自分の恵まれた状況に、感謝する気持ちを社会に伝えたくて」
「絶対に医療を受けられない人のために」

学生時代、そんな動機で医師になろうと決意したものの、
「安定の壁」「医局の壁」にぶつかり、“飛べない鳥”になりそうなとき・・・

まさにミャンマーとの出会いがあり、30歳の若さで、
日本で貯めた100万円を握りしめて、ミャンマーに“飛びたつ”のです。
           
当時、日本に電話するのに、わずか1分間で15ドルもかかる時代。

100万円を一日でも長く持たせるために、
わからない病気や手術があっても、日本に電話などできない・・・

満足に医療器具も揃わない、手術室もない、医療保険もない…
ないない尽くしのミャンマー。

どんな奇形の病気も、見たことのない症状も、ぜんぶ自分で調べて治療するしかない。

当時、診療所を開設した地は、人口32万人に対して病院2つ、医師1人・・・ 
空が白むと患者の列。。。1ヶ月に1万人以上の病気、生命を救ったそうです。 
日本では見たこともないような奇形に苦しむ子供さん達はじめ、朝5時から夜12時まで、 
自らの財産をなげうって、小児外科医として救い続けてこられた20年間の足跡! 


■ 医師は「病気を治す」だけでなく、「人生をも変える」ことができる!

当時、外国人で医師免許をもっていたのは、吉岡医師だけ。

自分が手術をしなければ、だれもできない、やらない・・・患者は死を待つだけ。

ミャンマーには小児心臓外科医がいないとわかると、単身帰国して、
日本で小児心臓外科の手術を学んで、またミャンマーに戻るのです。
心臓手術をした子が、奇形の手術をした子が、手術を受けることができたおかげで、
学校に行けるようになり、大きくなって結婚、子どもを持つにいたる人生をみて、
医師は「病気を治す」だけでなく、「人生をも変える」ことができる!
と確信されるにいたります。
 
吉岡 秀人先生の熱い志、人を救い続ける生き様をみて、
無償無給の国際医療ボランティアとして、
医師・看護師・学生はじめ全国から多くの心ある同志が集う「ジャパンハート」が、大きな輪として広がっています。 
まだまだ経済的にも医療的にも、
日本よりはるかに遅れるミャンマーの地ですが、
まさに鉄のような意思で生きておられる方々の姿にふれ、
自身の人生をもふり返る滞在でありました。


         平成27年(2015年)12月
                         山  崎     泰


【参考】
吉岡 秀人先生が代表を務められている『特定非営利活動法人 ジャパンハート』の活動内容はこちらをご覧ください。
http://www.japanheart.org/

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